偉人に学ぶ─ダメ人間の美学
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ジョニー・ロットン(1956〜)
┗76年イギリス発 世界にパンクロックムーブメントを巻き起こした
 「THE SEX PISTOLS」のヴォーカリスト。
 「アナーキー・イン・ザ・UK」「ゴッド・セイブ・ザ・クィーン」等

「パンクとは『自分自身に忠実であること』だ。ファッションじゃない」

セックスピストルズ。
野蛮な音楽には興味のないあなたも“安全ピンを鼻に刺すエリザベス二世”
のモチーフは目にしたことがあるでしょう。
これは1977年、当時の英国王室とその体制に、ピストルズがおどけて
唾をはいた曲「ゴッド・セイブ・ザ・クィーン」のデザインです。

活動期間わずか26ヶ月。たった一枚の公式アルバム「勝手にしやがれ」で
全世界を引っくり返したこのバンドは“SEX”という名のブティックの
店長が仕掛け人。街にたむろう若き日の巨匠に目をつけ、店の従業員が組んで
いたバンドに招き入れるところから始まります。

“俺はピンクフロイドが大嫌い”と書かれたTシャツで騒いでいた
若き日の巨匠。暗くて難解なプログレロックは お好みでなかったご様子。
しかしピストルズ加入時のオーディションでは元祖ビジュアル系ともいえる
アリス・クーパーの曲を披露したそうです。

なにはともあれ巨匠のヴォーカルを招いて動き出したセックスピストルズ
でしたが、初代ベーシストは「ビートルズのファンだから」という理由でクビ。
彼の代わりに巨匠が連れてきたのが親友のシド・ヴィシャスでした。
しかし、後にパンクキッズのカリスマとなるこの新しいベーシストは、
この時ベースの経験ゼロ。パンク=ヘタクソの由縁かもしれません。

悪名高きセックスピストルズ。
このバンドの存在そのものが大きなムーブメントを巻き起こしました。
しかし、いつの時代にも大きな改革は 大きな破綻をはらんでいます。

いつの間にか一人歩きしていくセックスピストルズという名前。
それを金の道具にしようとするマネージャー。(前出のブティック店長)
ドラッグと縁を切れず、日に日に加速度を増し壊れていくシド・ヴィシャス。
マスコミからの激しい圧力。そして公演の度にパニックを起こす観客・・。

1978年。これらにアッサリと見切りをつけた巨匠は米国ツアー中、
「だまされた気分はどうだ?」「ロックは死んだんだ」との名言を残し
セックスピストルズを脱退。同時にジョニー・ロットンの名を捨て、
本名であるジョン・ライドンに改名し「P.I.L.」を結成します。

     ─次号ジョン・ライドンへつづく


パ┃ン┃ク┃ス┃気┃分┃を┃味┃わ┃う┃
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勝手にしやがれ!!
技術なんぞクソだ!と言わんばかりの勢いで迫る
PUNK ROCKの原点でございます。



■今日の余談─私の周りのダメ人間達
└友人Yと久しぶりに電話で話した。なんとなく年齢の話になった。
 『今度の誕生日で33歳だよね。』
 なにげなく口にした私の言葉にYは反論する。
 「違う。34。」
 ん?私はYとの年齢差を計算しつつ、もう一度 頭の中で確認する。間違いない。

 しかしYは自分は34だ。自分の年を間違えるはずがない。と主張して譲らない。
 あまりの激しい主張ぶりに勘違いかと不安になる。しかし何度考えても間違いない。
 Yに生年月日を確認し、昭和の何年が西暦でいうと何年だから、云々かんぬんと
 説得すること数十分。Yはようやく自分の非を認める。

 「え!?じゃ、僕はいつから数え間違えてたの?僕は今いくつ??」

 いっぱしのダメ人間を目指すなら、年齢なんぞいちいち気にしてはいけない。
 しかし、さすがに私は自分の年を少なく見積もることはあっても、
 余計に数えることはない。私もダメ人間にはまだまだ遠いようである。
 「え?なんで?33?え?」と、いつまでも動揺するYの声をよそに、
 ため息をつきつつ、私は受話器を置いた。

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