偉人に学ぶ─ダメ人間の美学
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クエンティン・タランティーノ(1963〜)
┗アメリカ・ロサンゼルス出身。映画監督。
 鮮烈なバイオレンス描写の作品群で 一躍 時の人となる。
 1994年「パルプフィクション」でカンヌ映画祭パルムドール賞受賞。
 上記受賞作やデビュー作「レザボアドッグス」等が有名。

「レザボアドッグス」で巨匠が世に出たのは1992年。
さほど古い話ではありません。それまではどこで何をしていたかと言えば、
高校中退の後、俳優を目指しつつレンタルビデオ屋でアルバイト。
要はフリーターってやつです。よくある話ですね。

そして幼少の頃から筋金入りの映画オタクでもあった巨匠。
千葉真一オタク。香港映画オタク。日本アニメオタク・・・。
名作映画はもちろん、とにかく映画と名のつくものならB級C級なんでもござれ。
そんなオタク道を着々と進んだかいがあってか、フリーター時代に書いた脚本が
関係者の目にとまり、あれよあれよの間に天才監督の出現とうたわれます。

有名人へ転身してもなお、オタク度に磨きをかける巨匠。
キャンペーンで来日しては、石井輝男監督の『網走番外地』や 本多猪四郎監督の
『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』などのビデオを探索している
模様です。↑タイトルだけ見てもオタク度200%なのが分かりますね。

このあくなきまでのフィルムに対する深い愛。オタク愛は本物です。
ある日、人気のTV番組「ER/緊急救命室」を見逃してしまった巨匠は
このままにしておけん!とばかり、すぐさま製作会社に電話をし
「テープをくれ」と、ねだります。
その返事は「放送1週間分の演出してくれるなら、あげてもいいよ」とのこと。
この悪ノリとも思える返答に気を悪くするどころか、ノリノリで引き受ける巨匠。
こうしてテープ一本のために「ER/緊急救命室・47話」はカンヌ受賞監督の
手により演出を施されました。しかし、そこはもちろん自分大好きの巨匠。
黙って職人仕事に徹するはずがありません。遊び心満載。タランティーノ節満載。
シリアスなストーリーの中、子供が下品におならをしたり、ゲロ吐いたりと
忙しいです。

今現在の巨匠は、五年ぶりの新作「キル・ビル」を製作中。
つい最近、日本で撮影をしていたとの情報も・・・。
しかし、まずオタクでありき。の巨匠。
キャストに千葉真一を迎え、ホクホク顔に違いありません。

2002.09.25 「まぐまぐ」より1,178部発行


O┃H┃!┃タ┃ラ┃ン┃テ┃ィ┃ー┃ノ┃!┃
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レザボア・ドッグス
とかくキルビルなタランティーノですが、いや〜やっぱ
タランティーノと言えばこれでしょう。
本気なんだか冗談なんだか分からんラストは必見!



■今日の余談─タランティーノと私
└タランティーノ監督の作品はもとより、チョイ役で出ているタランティーノも
 好きだ。役柄はたいがい一緒。とにかくしゃべる。古舘伊知郎も目じゃないと
 ばかりにしゃべる。そしてその内容のほとんどはバカッ話である。

 「レザボアドッグス」も いきなりこのマシンガントークで始まる。
 内容はマドンナのライク・ア・ヴァージンの歌詞についての考察である。
 「この歌は、数え切れないくらい多くの男とヤリまくっていた女が、
 今まで見たこともないブツを持った男と出会ってまるで処女のように痛かった」
 という歌なんだ。とタランティーノが力説するのである。
 ちなみにこの力説はその後のストーリーに全く関係ない。
 ただの出たがりなのでは?と疑惑を持ってしまうが面白いので仕方がない。

 つい最近も“タランティーノ出演”と銘打ったビデオを発見。
 パーティー会場の客として登場し、トップガンはホモの映画だ。と力説。
 だが、主人公とのからみはない。一つもない。長めに映ったエキストラみたいな
 ものだ。まるで詐欺・・・。と思ってしまうのは、このビデオを見るのが
 実に三度目だからである。
 本編はイマイチ私の好みではないこの作品。印象が薄く忘れてしまい、
 しばらくたつとまた“タランティーノ出演”の文字に躍らされて借りる
 という行為を延々と繰り返しているのであった・・・。

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