もともと孤独な少女でした。
生まれ故郷は保守的な町。自由に生きようとすれば笑われ、自分の意見を
言えばいじめられます。そのルックスも災いし「ブタ面」とあだ名されたり
「キャンパスで最も醜い人物」に選ばれたり・・・。
そんな故郷につばを吐き、17歳でサンフランシスコに渡った巨匠は、
屈辱を跳ね返すように本格的な音楽活動を開始します。
1967年。モントレーポップフェスティバル。
まだまだ無名であった巨匠が5万人の聴衆を震え立たせました。
地を蹴りながら一心不乱に唄うその姿に、観客は新しい嵐を感じます。
これを機にトップアーティストとしての道を全力疾走で駆け上がる巨匠。
けれども、有名になればなるほど それに比例するように増す孤独感。
淋しさを埋めるため欠かせなくなったドラッグとアルコール。そして行き当たり
ばったりのセックス。気に入った相手なら、男であれ女であれ関係を持ちました。
「どうせ30歳までしか生きないんだから」と、暴走するその姿をも崇拝され
ましたが、孤高の女王は更に淋しさを募らせ疲れ果てるという悪循環。
しかし、友人の勧めでドラッグとアルコールを断ったとき、転機が訪れます。
それは「身を投げ出してもいい」と思えるほど信頼できるバンドとの出会い。
時期を同じくして婚約者も現れ、長年苦しめられていた孤独感とついに決別します。
1970年。27歳。
これから幸せの何たるかを知ろうというその時、巨匠の遺体がホテルの一室で発見
されます。その手には4ドル50セントが握られていました。
死因はヘロインの過剰摂取。自殺なのか事故死なのか。巨匠の死の二週間ほど前、
やはり薬物の過剰摂取で死んだジミ・ヘンドリックスとの関連性があるのかないのか。
なぜ決別していたドラッグに再び手を出したのか。これらの謎は永久に謎のまま。
孤独感とともに歩んできた歌姫は、突然押し寄せてきた幸せの波に耐えられず
死を選んでしまったのかもしれません。
「あたしはたったひとつの事しか出来ない。ただ、それだけなんだよ。」
2002.10.09 「まぐまぐ」より 1,154部発行
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