75年に一度の割合で姿を見せるハレー彗星。
巨匠が生まれたのはこのハレー彗星が輝いた年のことでした。
一攫千金を夢見ては開拓地を転々と渡り歩くお父さんに連れられ、
4歳の時から移り住んだミシシッピー河のほとり。
「トムソーヤの冒険」に代表される、物語中の少年らしい様々な活躍ぶりは
ここでの生活から生まれ出たものです。
12歳の時には父が死去。その後は幼き巨匠も家計を助けるため、
学校を辞めて働かなくてはいけませんでした。
しかし貧乏をさほど苦に思わず過ごした少年時代。夢見がちなのは遺伝でしょうか。
次々に見た夢を次々に実行していくあたり、こうと思ったらこう!といった
気迫さえ感じられます。
まずは‘アマゾン探検’。この幼い頃からの夢の実行に踏み切ったのは21歳の時。
ただ、こちらは失敗に終わっています。わざわざ遠出をして挑んだにも関わらず、
行った先で船の都合がつかなかったんですね。
諦めて故郷に戻った巨匠でしたが、第二の夢を手に入れます。
それは‘蒸気船の水先案内人’という職業。そしてその時代のその職場には、
安全のため常に水深を測る投錨手という職人がいました。
投錨手は安全水域の二尋(約3.6m)を確認すると、怒鳴り声で知らせます。
「マークトウェイン!!セイフ ザ ウォーター!(二尋!!安全水域!)」
この掛け声は、後の巨匠の筆名となりました。
南北戦争勃発により船を降りた巨匠は、新たな夢を追うべく金塊探しに
出かけますがゴールドラッシュの地で得たのは金塊ではなく酒場の男達の与太話。
これをもとに執筆した原稿が成功を収め新聞記者の職を得ました。
取材中のある日のこと。
一人の青年が自分の妹の写真を巨匠に見せました。その美しさに感動した巨匠は
青年から上手く写真を盗み出すと、新たな夢を見出しました。
「この女性と結婚する!」
そしてその数年後、本当に結婚しちゃうんだから大したもんです。男に二言なし!
結婚生活は幸せでしたが、売れっ子作家になっても一攫千金の夢を追い続けた
巨匠の晩年は、株に手を出しては失敗等、散々だったようです。
そんなこんなの75歳。75年ぶりのハレー彗星がお目見えした次の日のこと。
生前から予言していたとおり、永遠の少年は 人生の幕を閉じました。
まさに男に二言なし!の人生でした。
2002.12.18 「まぐまぐ」より発行
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