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エドヴァルド・ムンク(1863〜1944)
┗ノルウェー生まれ。画家。版画家。心理的表現を画にすることによって、
 従来の写実美に真っ向から対抗した。現代美術の先駆者の一人と言われる。
 「叫び」「病める子供」「月光」などが有名。

グニャ〜とした背景に、これまたグニャ〜としながら耳をふさぐ人物・・・。
かの有名な絵画「叫び」を思い浮かべていただけたでしょうか。
自分の中から湧き出る叫び声を恐れて耳をふさぐ・・・。という様を描いた
この画。友人と連れ立って歩く途中の実体験が元になっているそうです。

精神を患った芸術家とその作品。というかんじで取り上げられる事の多い巨匠。
そもそもなんでおかしくなっちゃったんでしょうか。
家族の死。これも大きな原因だったでしょう。当時流行っていた結核により、
5歳で母を、14歳で姉を亡くしています。巨匠本人も病弱で、かなり内向的
だったそうです。・・・が、そんな自分を愛する節があったのも否めません。
「病魔と狂気を死が私のゆりかごを見守っていた。」
「私は病気を遠ざけたくはない。私の芸術が病気に負うところは大きい。」
と、後年になって語っております。

そして恋愛面はどうだったかと言えば、これまたあまりいいことも
なかった様子。初めての恋は人妻でしたが、夫のある身で奔放な恋愛を
楽しむ彼女に思う存分振り回されてしまった巨匠は、嫉妬や猜疑心に
悩まされ女性不信に陥ります。
その後、35歳の時に出会った女性と4年ほど交際を続けましたが、
結婚や家庭には興味を見出せません。巨匠との結婚を願う彼女とは
平行線の争いが続きます。そしてとうとう別れ話を持ちかけたその時、
錯乱した彼女が発砲。銃弾は巨匠の左手の薬指を吹き飛ばしました。

この事件をきっかけに、強い強迫観念から逃れられなくなってしまった
巨匠は神経衰弱症で入院もしています。しかし、退院後は目立った衰弱も
見られず、精力的な活動を続けます。
酒びたりではありましたが、81年間の人生をまっとう。
もちろん生涯独身を通しましたとさ

2003.04.30 「まぐまぐ」より発行

叫┃ん┃で┃ば┃か┃り┃じ┃ゃ┃な┃い┃  
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ムンク アート・ライブラリー

ムンクと言えば「叫び」。のように思われがちですが、意外なほど様々な
画風を見せてくれます。48作品、オールカラーで解説付き。



■今日の余談─私の周りのダメ人間たち

└3度ほど入水自殺の経験がある私の携帯電話。
 入水場所はもれなくトイレ。「さぁ、いざゆかん!」というまさにその時。
 背後に響くのはガコン…という鈍い音。振り向けば、毎日を共に過ごした
 愛しい君が沈んでいる…。何度目にしても誠に切ない光景である。

 しかも3度目は高熱の最中での出来事だった。
 39度。朦朧とする意識の中、水浸しの携帯を目の前にぶら下げ、
 しばし途方に暮れる。動くのもだるい。誰かに見舞いに来てもらおうにも
 連絡先が一切分からない。

 頭に浮かぶ電話番号と言えば、もう何年も連絡をとっていない友人の
 実家の番号だったりする。なんでこんな番号を未だに覚えているのかと
 苦笑はすれども、役には立たない。

 そんな時に限って、突然パソコンも立ち上がらなくなったりする。
 想像して欲しい。一人暮らしで病にとりつかれた時、携帯とインター
 ネットに見放されたら、まさに陸の孤島。かけるべき番号がなければ
 電話と言えども ただのガラクタである。

 熱にウンウンうなされながらも自力でコンビニへ。当然、翌日は無断欠勤。
 これからは携帯メモリも キチンとバックアップを取ろう!と決意した。
 ・・・はずなのだが、喉元すぎれば熱さ忘れる。
 1年半ほど経過した今、またそのうち落とすんだろうな…と思いつつ、
 何の対処もしていなかったりする。


そ┃の┃足┃跡┃を┃た┃ど┃る┃
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ムンクへの旅 とんぼの本

「僕の芸術は自己告白だった」。その人生は本当に狂気に包まれていたのか。

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