後に天才ギタリスト、伝説のブルースマンとして名を残すことになる巨匠は
母親の浮気によって誕生しました。あっちに育てられ、こっちに育てられと
転々としながらも、14歳でハーモニカやジューズハープに興味を持ち、
その翌年にはギターを奏でるようになります。
・・・が、この頃の演奏。ハーモニカはまぁまぁ。ギターは散々だった様子。
17歳になると一つ年下の彼女と結婚。妊娠する妻を置き去りにしたまま
放浪の旅に出てしまいます。名目はブルース探求の旅ですが、この頃はまだ
ギターが下手くそだったということを忘れてはいけません。
置き去りにされた妻は出産の際、子供とともに死亡してしまいました。
それでも懲りない巨匠。今度は実の父を探しに行くという名目で生まれ故郷を
目指して放浪。またもや婚姻届を出すのですが、今度のお相手は10歳年上で
3人の子持ち女性。実はこの頃から、わざわざモテなさそうな女性を選んでは
声をかけ、女性宅へ転がり込むというのが巨匠の常套手段になりつつありました。
いわゆるヒモってやつですね。行く先々にそういった女性がいたそうです。
浮気もなにもあったもんじゃありません。年下家政婦に子供を生ませるわ、
本妻が病気になったらあっさり見捨てて旅に出ちゃうわ・・・
ろくでなしの典型ですね。見捨てられた妻は数年後に死亡しています。
巨匠20歳。“悪魔に魂を売った”のも丁度この頃。
0時少し前、ある十字路に立ち一曲弾いていると悪魔がやってきてギターを
取り上げ、チューニングをした後、演奏を始めます。一曲弾き終わるのを
待ってギターを返してもらうと、その後は何でも思いのままに弾けるように
なった。というのがこの伝説のあらすじ。
実際に、下手くそだったギターがわずかな期間で信じられないほどの
上達を遂げたため、この伝説は真実味を帯び、そして後々まで語り継がれて
いくこととなります。
噂は噂を呼び、レコーディングの機会も得ました。
悪魔に魂を売り払うほど大胆さを見せる一方で、大変に内気な性格でもあった
巨匠。人に見られていては恥ずかしくってとても演奏どころではありません。
誰とも目をあわせずに済むよう、壁に向かってのレコーディングとなりました。
2度目のレコーディングを終えた翌年、巨匠27歳の時のこと。
飲み屋での演奏中、あろうことか店のおかみにちょっかいを出します。
このことに気づいた亭主は毒を混ぜたウイスキーを巨匠に飲ませました。
毒が回ってからの三日三晩、犬のように四つんばいになり苦しみ抜いた
挙句、肺炎を併発した巨匠は かつての約束どおり悪魔に魂を引き渡して
この世を去りました。
2003.05.07 「まぐまぐ」より発行
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コンプリートレコーディングス(ロバート・ジョンソン) これぞブルース。様々なアーティストの元ネタ、ココにあり! ちなみに悪魔に魂を売ったというクロスロードブルースは ‘四辻ブルース’と和訳されてます。四辻・・。 |
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THE ORIGINAL DELTA BLUES (サン・ハウス) ジョンソンの師匠にあたるサン・ハウス。 デルタ・ブルースの生き証人と言われています。 |