大家族の農家に生まれた巨匠。
納屋のドアにつけたチューブが初めて手にした楽器だそうですが、
ブルースマンであった養父に本格的なギターを習い、技術を身に付けてからは、
親子で地元のクラブに出演して稼ぎました。
ブルースを生業にしたい。そう決意した巨匠は14歳で故郷を後にします。
26歳になるまでの十数年は、ゴスペルを歌っていましたが、
デトロイトに移住しブルースバーなどに出入りするようになってからは、
徐々にブルースを歌うようになりました。
初のレコーディングは31歳。
緊張のあまり上手く演奏ができなかった巨匠は、
まず最初に、リズムをとりながら床を踏み鳴らした音だけを録音し、
その足音を、演奏中にモニターを通して自分に聞こえるようにしてくれと頼みました。
このおかげでリズムが狂うこともなく最高の演奏が得られたため、
ならば足音もレコードに入れてしまおうということ決定。
このことがきっかけになって、以後、巨匠の足音は画一された個性へと
変化していったのです。
当然と言えば当然とも言える大ヒット。
これに気を良くした巨匠は、考えられないペースでアルバムをリリース。
新曲も出せば古典曲も出し、レコード会社もバンバン変える無節操ぶり。
こちらのレコード会社の契約期間が終わらないうちに、
あちらのレコード会社からもリリース。
契約違反という壁にぶち当たりそうになると、名前を変えて回避しました。
名前が違うから別人です。という建前ですね。
当たり前ですが違法です。
しかも名前がいいかげん。
「テキサス・スリム」「デルタ・ジョン」という売れない芸人みたいなのは
まだいいんですけど、「リトル・ポーク・チョップ」って何でしょう。
ちっちゃい骨付き豚?
挙句の果てには「ジョン・リー・ブッカー」だの「ジョニー・リー」だの・・。
そんなバレバレでいいんでしょうか。点々つけときゃいいんでしょうか。
ちなみに、これらの名前はほんの一例です。
38歳になり、ようやっと一つのレコード会社に落ち着くと、
以後は「ジョン・リー・フッカー」一本で落ち着きました。
そしてリズム&ブルースの到来。白人の若者に絶大な指示を受けます。
74歳にして全英チャート3位を獲得という記録を作り、
78歳で「もう墓に入る準備をする」と引退宣言・・・したものの翌年には復活。
83歳で老衰を迎えるギリギリ直前まで、音楽とともに過ごしました。
2003.10.1 「まぐまぐ」より発行
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The Very Best Of John Lee Hooker版(CD) 世に名を残したブルースマンは多けれど・・・ワタクシ、個人的には ジョン・リー・フッカーが一番好きッス。視聴もあるので是非どうぞ |