「歌う気は・・・あるのでしょうか?」と、思わずツッコミたくなるほど、
ただ淡々とメロディを口ずさむ巨匠。
しかし、湿度が高くそれでいてクールに甘く浮遊するその歌声は他に類を見ず
常に「なぜ」という単語と共に評価されてきました。
誇れるようなテクニックを持たずして“なぜ”あれほど聴衆を魅了できるのか。
酒と女と麻薬に溺れる人物から湧き出る音楽が“なぜ”あれほど繊細に艶やかなのか。
そして最期の“なぜ”は1988年にやってきます。
チェット・ベイカー58歳。ドイツ、アムステルダムのホテルの窓から転落死。
彼の遺体はトランペットとともに 路上で発見されました。
そして主亡き後の部屋からは、大量のヘロインが押収されたようです。
自殺、他殺、事故・・・噂は噂を呼びましたが、巨匠が泊まっていたのは2階。
いくらなんでも、2階から飛び降り自殺っていうのは ちょっと・・・。
なんにせよ、破滅の人生を自ら選択し、そして全うした巨匠。
ドキュメンタリー映画「Let's Get Lost」完成直後の死でした。
甘┃い┃歌┃声┃を┃聴┃く┃ ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ ── amazon.co.jp
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チェット・ベイカー・シングス チェットベイカーと言えばコレ!と言われる代表作。 |
ベスト オブ チェット・ベイカー オイシイとこ取りの一枚。アメリカ産のコンピレーションアルバムです。 |