偉人に学ぶ─ダメ人間の美学
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■谷崎 潤一郎(1886〜1965)
┗官能的な作品群で他者の追随を許さず、時代時代の文壇に大きな反響を
 捲き起こし続けた作家。代表作「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」等々。

常に「芸術かエロスか」との波紋を呼びつづけた巨匠。
しかし巨匠の筆が描き出す倒錯の世界は、とても「エロス」など
という薄っぺらな言葉では片付けられません。

倒錯も倒錯。私生活も倒錯。
それを象徴するのが「細君譲渡事件」。ことの発端は1921年です。

巨匠の妻である千代夫人は、巨匠にないがしろにされる日々の悩みを、
夫の親友でもある作家の佐藤春夫氏に打ち明けてきました。
そうこうするうち二人の仲は親密な関係へと発展。

それを知ってしまった夫はどうしたか。
あっさりサッパリ「そういうことなら細君を譲る」と約束しちゃいます。
ここまでは見ようによっては男っぷりもいいような・・・。

しかしギリギリの土壇場になって、やっぱりイヤだ!と、のたまう巨匠。
今まで妻をないがしろにして来たが、今は他の女に惚れているが(しかも妻の妹)
それでもやっぱり惜しいもんは惜しい!と駄々をこねまくる巨匠・・・。

約十年ものあいだ、あーでもないこーでもないと揉めていましたが、
結局は離婚という形でケリがつきました。
しかし懲りるということを知らぬ巨匠。その後の色恋沙汰にも事欠かず
そしてそれに比例するように、数々の名作を世に残したのでありました。


倒┃錯┃の┃世┃界┃に┃触┃れ┃る┃
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─ 刺青・秘密 ─
小学生のSM(?)話や、女装癖の男の話が文学として描かれてます。
    なんというか・・・“濃い”です。どっぷり濃厚です。
─ 谷崎潤一郎=渡辺千萬子 往復書簡 ─
こちらは私生活。義理の娘に充てて「あなたの靴に踏まれたい」と
       書いちゃうあたり・・。も〜ぅ。すごいっす。



■今日の余談─私の周りのダメ人間達
└知人Uは 貴重な“食っていけるバンドマン”である。
 そしてギター弾きには珍しく、酒も煙草もやらない。
 ファンの女の子達と無意味に戯れるということもない。
 練習第一。この上なく品行方正なバンドマンなのだ。

 そんな彼にも一つ、楽しみがある。
 ベースギター担当の彼は、ステージ上からピックを投げる。
 これはどこのライブでも見かける光景で、特に珍しいことではない。

 しかし、彼は指弾きのベーシストなのだ。
 つまり使いもしないピックをポケットに忍ばせておき、
 演奏中に何の脈絡もなく、しかも嬉しそうに客席に放るのである。

 全くもって意味不明の行為だが、客の方も舞い散るピックを今か今かと
 U同様、嬉しそうに待ち受けているので、特に問題はないようである。


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